「助けてよぉぉぉ!」

 もう一回叫んでみたけどやっぱりおじさんは何も答えてくれなかった。ただ、とても冷たい目でぼくを見下ろすだけだ。

(何でたすけてくれないの?)

 そう思っていると横から

「ホウ将軍!」

と、父上が飛び出した。そして

「私はこの身が切り刻まれようと引き裂かれようと一向に構いません!ただ……ただ、この子だけは、崇だけはどうか見逃してやってください!」

と、高い所にいるおじさんにお願いした。

(父上もおねがいしたんだ!きっと聞いてくれる!)

 そう思ってぼくはおじさんの方を見た。だけど

「……」

 さっきと同じようにおじさんは冷たい目でぼくらを見下ろすだけだ。そして

「連れて行け」

と、周りの兵隊さんに命令した。


>>次項