彼は…赤壁の戦いで我が呉に寝返った将。
名は…孫伯、といっても本人がそう名乗っているだけで本名は不明…というか、無い。
彼は寝返りののち我が主より孫の名を承った、伯は長男という意味しかない、しかし長男かどうかも不明という始末…。
裏切りののち彼は無口になった、まぁ、私は裏切る前の彼は知らないので聞いた話だが。
…とまぁ、事前資料はこの程度か。
実際に彼に会った感想を述べよう、…正直、驚いた。
あの国はこの男の才も見抜けず、下級将の副将にさせているのか…、まぁ、剣の腕はその程度なのだが…。
彼の才は軍で発揮されることはないが、あまりにも惜しい。
彼の処遇について迷った、そこで呂蒙殿の意見を聞いてみることにした。
呂蒙殿からは彼の才を分析し、適切な役職につけるべきと助言を頂けた、彼の才…知識の豊富さ、説明の丁寧さ、人を観察する力。
どの文官の役職を見ても該当するような役職は見当たらない。
我が主にも話をする機会があったので話をしてみることにした、これが正解だった。
たまたま張昭殿も何かの献策で居合わせていて、その話をした途端、何か閃いた様子で興奮していた。
張昭殿は建業に大規模な塾を作るべきだと献策していたようで、孫伯は講師に向 いているというのだ、主も私も合点し早速やらせてみることにした。


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