暗黙の了解で二人は馬から降りた、そして鎧を軽装にし、武器を取った。
孫策は父親の形見・古テイ刀、一方太史慈は愛用の手戟。

先手を取ったのは孫策だった、勢い良く刀を振り下ろす、太史慈は手戟で受け流しその勢いで鋭くなぎはらう。孫策はその攻撃を予測していたかのように後ろに下がる…。
お互いが今まで出会ったことのない強敵だと知るには充分過ぎる手合わせだった。
しかし…二人ともそれで引き下げる性格はしていないようだ、むしろ楽しんでいるとさえ思える。太史慈はこの人に殺されるなら本望だと思ったに違いない、孫策にはその気は全くなかったのだろうが。
突き、避ける、なぎはらう、受け流す。それが永遠に続くかと思われた、しかし 、二人は人間であった、体力に限界が訪れたのだ。
孫策は生け捕るのを諦めかけ ていたし、太史慈も降伏の文字が頭をよぎっていた。だか…戦わねばならなかった…後日彼らはいうだろう、それが宿命だったと…。


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