「私たち、ですか?」

「そう、お前たち家族だ」

「それは……何故ですか?」

「お前たち家族の幸せそうにしている姿を見るのが儂自身の幸せ……だからこそ儂はその幸せを守る為に軍馬にまたがり、矛を携え戦場に赴く」

「幸せを……守る為……」

「不服か?」

「っ!め、滅相もございません!」

 私は思い切り首を横に振った。

「そうか」

 そう言って父は、また微笑を浮かべた。

 『お前たち家族の幸せそうにしている姿を見るのが儂自身の幸せだから……だから、儂はその幸せを守る為に軍馬にまたがり、矛を携え戦場に赴く』、この言葉の温かさを、私は一生忘れない。


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