「おい、今日はどうすんだい?」

「わかんねぇな」

江夏平春に"李通"なる者がいた。字を文達、侠に生きる者であり、多くの人に慕われ数百人の配下がいるほどであった。同じく"陳恭"。李通と義兄弟の交わりを交している者であり、よき李通の理解者でもある。

「最近やることがないなぁ」

陳恭はこの平凡な日常に飽きていた。

「この間隣の村が襲われたらしいなぁ」

それは陳恭がなんとなく吐いた事で、まったくの冗談だった。

「この世の中も終りかぁ。おい、この際俺達もこの一帯治めるために挙兵するか?」

李通は少し興味があった。自分は多くの者に慕われ、それなりに武技にも通じてる…。自らの力を試し、この世に自らの名を残してもいいのではないか…

「ホントに言っているのか?」


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