一
「おい、今日はどうすんだい?」
「わかんねぇな」
江夏平春に"李通"なる者がいた。字を文達、侠に生きる者であり、多くの人に慕われ数百人の配下がいるほどであった。同じく"陳恭"。李通と義兄弟の交わりを交している者であり、よき李通の理解者でもある。
「最近やることがないなぁ」
陳恭はこの平凡な日常に飽きていた。
「この間隣の村が襲われたらしいなぁ」
それは陳恭がなんとなく吐いた事で、まったくの冗談だった。
「この世の中も終りかぁ。おい、この際俺達もこの一帯治めるために挙兵するか?」
李通は少し興味があった。自分は多くの者に慕われ、それなりに武技にも通じてる…。自らの力を試し、この世に自らの名を残してもいいのではないか…
「ホントに言っているのか?」