李通の意識がはっきりしたのは、戦が終わり帰路について少しほど進んだ時であった

「…聞…?お…文……!おい…達…!なにがあっ…」

陳恭は問掛け続け、ようやく李通は反応した

「陳恭…」

「なんだよ?」

「俺はなにをしていたんだ?」

陳恭はすぐに

「俺が気づいた時には、周曄殿は死んでたよ。その後、お前がそのまま敵陣に突っ込んで呉露の首を取って帰ってきた。お前の馬に掛ってる袋は呉露の首だよ」

「………」

李通は再び黙り込んだ。自分ではなにをしたのか解らない不安と動揺。一人の人間の言葉がこれほど人に影響を覚えるとゆうことに、李通は自らが分かっていても整理がつかなかった。


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