怒りに身を任せ、剣を抜き構える孫策…
しかし…男は慌てる様子もない
「…一騎打ちは刃を交えるより前にすべきことがあろう」
…すでにこの時、孫策はこの男を仲間にすると決めていたのかもしれない…
「そうだ、そうだよな!気に入った!俺は孫伯符!改めて一騎打ちを所望する!」
男は孫策の名を聞き始めて表情を変えた
「まさか敵の総大将とこのような所で対峙するとはな…我が名は太史子義!その 申し出受けようぞ!」
男の名を聞いた孫策は嬉しさを隠せなかった
「やっぱりお前が太史慈か!いくぞ!」
太史慈も剣を抜き、二人は初めて刃を交えた。

孫策の突きを太史慈がかわし、太史慈のなぎを孫策が凌ぐ、そして、また孫策の気合いの一撃を太史慈が受け止める。
そんな戦いを一刻ばかり続けたろうか…孫策の陣営ではやっと孫策がいないことに気づき、周喩・程普以下諸将が孫策を探し初めていた。
ちょうど二人の剣が折れかけた時、程普と周泰が駆け寄ってきた。
「若大将!ご無事ですか!」
孫策が振り返ると太史慈はここぞとばかりに馬を駆けた
「孫策殿!後日再戦と参ろうぞ!」
それだけ言い残し太史慈は去って行った
「若大将、追いますか?」
周泰は血気に逸っているようで落ち着きがなかった
「いや…その必要はない。後日再戦と言われたからにはそれを受けなければ…。 それより一緒に周喩に謝ってくんないか?」
やはり若大将は若大将だとその場は和んだが…その後、孫策が周喩にこってり絞 られたことは言うまでもない…


>>次項