いつのまにか帰ってきていた家。
 我が弟陳恭と二人で暮らしていた部屋。昔の面 影を残しつつ、ぼろぼろに錆びれていた。私が知らず知らずにここに逃げようとしていたのだろう。
(えっ…?待てよニィ!!!俺だよ!陳恭だよ!)
「………」
 あれは本当に陳恭だったのか、錆びれた部屋に一人考えていた。
 その後、再び黄巾を巻き賊まがいな反乱に参加して気をまぎらわした…。その中で私は転戦を繰り返し、いつの間にか北へ来ていたらしい。少し肌寒い感じがする。ある日あるこんな話を聞いた。
「名を劉玄徳、関・張の天下無双の配下を従え、この黄巾の乱を静めるために義 勇兵を募った!まさに義のため、徳のため!劉玄徳こそがこの始まった乱世に輝く巨星だ!」
 私は少し興味が沸いた。
「おい!その劉玄徳とかってやつはここら辺にいるのか???」
「えっ?あぁ、たしかこの辺りで公孫賛の軍と行動してるって話だよ」
 公孫賛…、北方の英雄か。ちょうど私の軍勢はこの乱の首謀者・張角直属の配下になっていた。前と違っているのは私が陰に隠れ、あまり目立たなくした所ぐらいか。私は歩兵の一人として、私を導く主君と会うまではこのままいようと。
「おいメシだ!メシの用意をしろ」
 私はおもむろに支度をし始めると、人数分には足りず近くの村から略奪することになった。私はそのままついていくことになり、村まで走って言った。
「食べ物をよこせ!張角様に献上するだ!出せ出せ!!」
 小さな子や、今吹いている微弱な風に倒れてしまいそうな人。こんな人達がいるのに…、これがホントの国の姿なのか?


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