「先ずはそこに土下座して、陳家の皆様すいませんでした。と大声で叫べ。話はそれからだ。」

 また高笑いを始めた彼らを鬼の形相で睨みつけながらも、長生は左の膝からゆっくりと折り始めた。しかし、長生が両手両足を付いた状態になった時、辺りの暗闇に不敵な声が響いた。

 「赤鬼が土下座か?情けない話だな。」

 入り口から歩いてくる小さな少年に周りの男達は気が付き、すぐ近くにいた男が連れ出そうとして近付いた。

 「こらこら、ここは子供が来るところじゃ…。」

 その男はその時初めて少年の首根っこを捕まえようとして出した右手が肘からなくなっていることに気が付き、激痛と動揺で、もんどりうって転げた。

 「汚い手で俺に触るな。」

 そう言いながら、尚も近付いてくる神業的速さを持つ少年に驚きを隠せない男達は、警戒しながらも武器を手にし、罵声を浴びせ始めた。暗がりの中に先程の男の苦痛の声が、虚しく響いている。


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