「あれ?お客さんがいたんだ?いらっしゃいませ。弟のお知り合いの方ですか?私は均の兄で亮と申します」
亮と名乗った少年は均の肌よりもさらに白く、その白い肌に驚くほど映える真っ赤な唇と細長い眉が印象的な美少年であった。背も戒と比べたら、格段に高く、蘭と同じくらいの身長があった。しかし驚くべきは少年が女性の服を着ていることであった。手には畑で取ってきたばかりなのか、まだ土のついた芋を手にしていることもあり、端正な顔、女装、土の付いた芋に奇妙な歌…何とも言い難い不思議な少年に三人は唖然とし、挨拶をすることさえも忘れていた。
「ちょうど良かった。今日はここで迎える最後の夜なので、少し多めに畑から芋を採ってきました。これから調理しますから、待ってて下さいね」