五人はその灯りに向かって一目散に走った。さすがに大人の足で近づく男達は速く、四・五人は趙神の手刀の餌食になったものの、それはほんの一部に過ぎず、足音と怒号は時間が経つにつれ。多くなっているような気さえしていた。ようやく門の前に着いた彼らを待っていたのは絶望以外の何ものなかった。
「まさか…郡兵まで買収されていたのか?」
そこには戦の時以外は開け放たれたままであるはずの門が閉ざされ、代わりに門を守るはずの兵士が槍を片手に慎重な面持ちで立つ姿があった。
「諸葛亮よ。また一つ勉強になったではないか。人間は時として欲望のためなら鬼にでもなることが出来る。殺そうとしている相手に対して、逃げてばかりいては、いつかは自分が敵の欲望に飲まれてしまうのだ。」