「必ず会える。心配するな。あいつは人を傷つける事はあっても、人を裏切ることないはずだ。それに…」
関羽は戒の頭に大きな右手を乗せると、蘭の方を見て言葉を続けた。
「あいつは変わった。俺の知っているあいつは、あんな優しそうな笑顔を見せるような男ではなかった。…いや、もしかすると隠していたのかも知れない。どちらにしても、君達が奴の心を開いたのだろうな。」
降りしきる雨はさらに激しさを増していたが、趙神も彼の背を見送る他の者も、雨を避けよう等とは思いもしなかった。趙神はただ自分の本能に任せて歩き、まるで彼を隠す様に深い霧が辺りを包み始めた。