「お主の言いたいことは良く分かった。反対はしないが、お前の実力が分からない以上、賛成も出来ぬな。お前は呂布以上に強いのか?」

曹操は意地悪な顔でそう返した。虎痴と呼ばれた曹操の後ろの大男は、怒りで既に足や腕がワナワナと震えているのが分かる。

「強い。闘えば間違いなく勝てる。証明しろと言われるなら、ここにいる誰とやっても良いが、無意味な殺し合いをしても困るのはお前達だ。……夏侯元譲…奴の左目はどうなった?」

趙神のその答えに、各将は一斉に、曹操に殺害の許しを請い始めた。

「夏侯惇の目を貫いた『死神』とはお前か?」

曹操の顔から余裕の笑みは消え、青年に対するまた新しい感情が芽生えて来た事に気が付いた。

「正確には俺ではないが…奴と対峙した事に間違いはない。」

一方で余裕の笑みを崩さない不敵な趙神は、相変わらず胸を張ったままそう答えた。


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