こんなことで泣いてたら…俺は虎になんか成れるもんか!

黄蓋達だって、俺を新たな君主としてついて来てくれるんだ!

俺があいつらを、父が築いてきたものを受け継がなきゃならないんだ!
守らなきゃならないんだ!

息が荒くなる。
手の先がぶるぶると震える。
鼓動が、止まらない。



父上…



「うおぉおぁああッ!!!」






冷たい河は、孫策の血潮の熱さなど知る由もなかった。

俺の叫びは、虎のホウコウになれたのか。


父は教えてくれない。

己の高ぶる魂が、ケモノの証だと知るだけだった。







*******了


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