「二人ともこれから見るものは忘れた方が良い。この、周りの惨劇の方がまだ天国に近い…」

 そう言って電光石火の如く動き始めた。蘭も戒もただ唖然と見守るしかなかった。自分達を助けてくれたのは、一体何者なのか?深く考えれば考えるほど、出るはずのない答えは当然導き出せず、時間と共に血の海だけが辺りを覆い尽くそうとしていた。


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