「黄蓋、生け捕りにした人質の黄祖がいたな。」
「は、はい!」
黄蓋が応えた。三人の目が孫策へ向く。
「父の遺体と黄祖を交換して撤退する!
いいか、父は武人として誇りを持って戦に出てたんだ!それをお前達の涙で汚すな!
孫文台の将としてここに居るんなら、泣くんじゃねぇ!!
取引が終わったら迅速に行動しろ、わかったか!!」
「「「ハ!!」」」
程普、黄蓋、韓当は拱手して応えながら、孫策の中に虎が受け継がれているのを感じていた。
もう、孫策に追う背はない。
握り締めた拳を、前へ突き出す。
今度は自分が、虎になる番だった。