「げに恐ろしいのは劉表ではなくその後ろにいるカイ良。
なかなかの小ずるい策を考える謀士です。
劉表に戦をする意志は皆無でしょうが、
このカイ良の言葉を耳に入れるか入れないかで桓楷…いや、我が軍の命が変わるでしょう。」
食べおわった鳥の骨を皿に投げ置き、孫策が呟く。
「気に入らねぇな、そのカイ良って奴。
桓楷が上手く立ち回ってくれるといいんだがな…」
「でなければ殿の葬儀も出来ませぬ…信じるしかありませんな。」
未だ手付かずの肉が卓上に残る。
元気を出せ、と言って孫策に食わせたものの、
元気が足らないのは自分の方だ、と黄蓋はそれを見て思った。